転職・キャリアアップ

【米国人事が教える】アメリカ転職を目指すオススメの進め方

アメリカで働いてみたいけど、何をしたらいいんだろう?
進め方が分からないし、採用してもらえるかが不安…。

本記事では、そういったアメリカでの就職・転職に興味がある方向けに、オススメの就職活動の進め方を紹介します。

実際に米国企業の人事担当として、様々な職種のリクルート活動を行ってきた経験を踏まえて、選考から内定までの選考プロセスを通過するためのオススメの方法をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

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アメリカ就職のためのオススメの進め方

アメリカ就職のためのオススメする進め方は下記のステップです。

アメリカ就職のためのオススメの進め方

【Step1】まずは転職エージェントに登録
【Step2】選考プロセスを知る
【Step3】希望する仕事のJob Descriptionを探して読み込む
【Step4】採用担当者に読まれるレジュメを作る
【Step5】面接対策をした上で面接に臨む
【Step6】赴任~生活立上の準備をする (内定後)

次の章から、1つずつ、ポイントも含めて紹介していきます。

【Step1】まずは転職エージェントに登録

少しでもアメリカで働くことに興味があるなら、まずは転職エージェントに登録することから始めることを強くオススメします。
転職エージェントの主なサービスは以下の通りですが、これらを利用するかどうかで、就職の成功率が大きく変わってきます。

転職エージェントが提供する主なサービス

・アメリカ就職に関する情報を定期的に配信 (特に米国特化型エージェント)
・経験豊富な担当者がサポート
・非公開案件も含めて、希望に合う優良な求人を紹介
・採用決定後のフォローにも対応

次の節で「なぜ転職エージェントに登録すべきか」を人事側の視点から解説します。

なぜ転職エージェントに登録すべきか

メリットはいくつかありますが、ここでは特に重要な2つの理由を紹介します。

① 非公開案件を紹介してもらうメリットが大きい

米国企業が新たに人材を採用しようとする場合、主に下記の5つの選択肢があります。

アメリカ企業が募集するときのアプローチ方法

LinkedInなどの公開求人サイトに掲載
② 自社サイトに求人情報を掲載
③ 転職エージェントへ紹介を依頼
④ 社員からの紹介・推薦を募集 (リファラル採用)
⑤ 現地の就職イベントに参加

これらの選択肢からアプローチ方法を選んだり、いくつか組み合わせたりしながら、優秀な人材の採用を目指す訳ですが、転職文化のアメリカだけあって、一度求人情報を公開するとかなりの数の応募が届きます。
募集する職種や待遇にもよりますが、1つの求人に何十件、何百件…と応募がくることは珍しくありません。

当然ですが、条件が良ければ良いほど応募は殺到し、早く決まってしまうため、公開されている求人(公開求人サイト・自社サイト)はその厳しい採用競争に勝つ必要があります

企業側は少しでも応募者が要件にマッチしないとガンガン落としていきます。
現地の経験豊富なスタッフやスキルの高い専門家達とも戦うことになり、高いスキル・経験・運が求められる必要になる狭き門です。

そこで、好条件の求人を狙うためのカギは、「非公開求人」と「情報入手のスピード」です。

社員に知り合いやアメリカの就職イベントに参加する機会などがあれば、それらを利用するという手も有効ですが、選べる企業の選択肢が限定的ですし、自分に合う企業と都合よくコンタクト出来るかというとかなり難しいと思います。

エージェントを利用すれば、黙っていても非公開案件も含めて希望条件に合った求人情報をスピーディに提供してくれますし、紹介される求人の仕事や待遇もレベルが高いケースが多いです。
これが登録をオススメする理由の1つ目です。

② レジュメ・面接の準備・採用後サポートを活用すべき

後述しますが、アメリカの面接官が見るポイントは日本と異なります。

アメリカで採用活動をしていると、(特に公開求人では)求人要件に合致していないレジュメや上手くアピールが出来ていない応募者などが散見され、そういった応募者から順番に選考プロセスから外れてしまいます。

いくらスキルや経験が豊富でも、アメリカ企業向け就活準備を進めておかないと、厳しい採用競争に勝つことのハードルはかなり高くなります

そうはいっても、忙しい日々の中で就職の準備がままならなかったり、何を準備したらいいのか分からない方も多いため、エージェントのサポートが非常に効果的です。
上手にエージェントを活用することで効果的に省エネ・短期間で準備することが出来ます。

また、採用が決まった後でも、企業の人事やマネージャーが待遇面の交渉をすることが一般的ですが、日本では一般的ではないため、どのように対応すればいいか分からない方も多いです。
そういった待遇面の交渉や必要書類のサポート等を本人に代わって対応してくれることも大きなメリットです。

これが登録をオススメする理由の2つ目です。

・転職エージェントを活用して、効率的に好条件の非公開案件を狙う
・情報収集や選考準備にも転職エージェントをフル活用

オススメの転職サイト

結論から言うと、各サイトに特色はあるものの、提供してくれるサポート内容はそれほど大差はないです。

ただし、企業によって依頼しているエージェントが異なるため、より幅広く求人にアプローチするためにも、複数社のエージェントを登録することをオススメします。

個人的には、とりあえず下記の3社に登録しておいて、希望条件に合ったオファーを待っておけば良いと思います。※登録は無料です。

まだ、本格的に就職活動をすることを考えていない場合でも、アメリカ特化型のエージェントに登録しておくと現地の有用な情報が得られたりするので、登録しておく価値はあると思います。

アメリカ就職のための転職サイト【とりあえず登録すべき】

<アメリカ特化型>
PASONA NA|米国中心の求人案件に加え、労働市場の情報等も豊富

<海外転職に強い&非公開案件数が多い>
ランスタッド|海外のハイクラス求人が豊富
リクルートエージェント|国内最大大手で海外案件も多数

エージェントの登録が終わったら、次は希望に合った仕事を選び、選考を通過する準備を始めていきます。

【Step2】選考プロセスを知る

応募・選考の準備をする前に、まずはアメリカでの一般的な選考プロセスを押さえておき、戦略を立てるようにしましょう。

アメリカ特有のものとして、「バッググラウンドチェック」があるものの、他は日本とそう変わらないですよね?

「バックグラウンドチェック」は、訴訟リスクを避けるため、応募者の学歴詐称や仕事に関わる犯罪歴、合法で働ける資格があるか等を企業としてチェックするものですが、普通(?)の人生を過ごしていれば、特に意識しなくとも問題ないです。
※必須ではないため、実施しない企業もあります。

ちなみに、実際のアメリカ企業の選考では、採用担当者がある程度、応募者を絞った上で、採用する部門のマネージャーが面接するというのが一般的です。

つまり、採用担当者による書類選考、採用部門のマネージャーによる面接の2つさえクリア出来れば、採用にこぎつけることが出来るという訳です。

各選考をクリアするコツは後述していきますが、その前に、まずは希望に合う仕事を見つけていきましょう。

・選考プロセスはほぼ日本と同じ
・書類選考、面接の2つのステップのクリアを目指す

【Step3】希望する仕事のJob Descriptionを読み込む

まずはどんな仕事をしたいかをイメージし、該当する仕事を探していきましょう。

アメリカで仕事を探すときは、ポジション(職務)別・勤務地別に求人が出されているという点を意識することがポイントです。
日本の新卒における就職活動のような「〇〇会社の××系の職種の総合職」というように大枠で求人募集を出すことはなく、基本的に転勤も想定していません。

そのため、転職エージェントや公募サイトで仕事を探すときは、下記の5つを中心に希望に合うかを確認してみてください。

希望する仕事の方向性を定めるためのポイント

① どんな肩書(Job title)で働くか
② どんな仕事の内容か
③ どんなスキルや経験が必要か
④ どのロケーションで働きたいか
⑤ 報酬はどのくらいか

↓実際のPasona NA社の検索画面(サンプル)

参照:Pasona NA Career site (お仕事検索画面)

 

ある程度、働きたい仕事の方向性が定まったら、その中で、希望する仕事の「Job Description(職務記述書)」を読んで、先程の5つのポイントが自分の希望・能力にしっかりマッチしているか確認しましょう

アメリカの求人は、この「Job Description」が重要で、ポジションのタイトルや具体的な職務内容及びそれぞれの業務の比重、責任の権限や範囲、必要な知識・スキル・資格・学歴…などなど、細かい要件や業務内容が細かく記載されています。
※給与はレンジのみ or 記載されていないことが多い。(選考プロセスの中で交渉可)

・希望する仕事の方向性を考えて「Job Description」を探す
・「Job Description」をしっかり読んで要件を押さえる

この「Job Description」の内容に満足がいくものがあれば、応募の準備として、次はレジュメ(履歴書)を作っていきます。

【Step4】採用担当者に読まれるレジュメを作る

レジュメには、自分の能力、これまでの経験、取得した学位・資格等をまとめて作っていきます。

インターネット上に多くのテンプレートもあるので、書きやすそうなものを参考にしながら、オリジナルの履歴書を作りましょう。
※手書きはNG・学歴や職歴は新しい順等、日本とは書き方が異なります。

前述の通り、応募されたレジュメは、採用担当者によってふるいにかけられる訳ですが、大量に集まったレジュメをすべて読みこんでいる余裕はないため、最初はざっと流し読みされ、適格の有無がやや機械的に判断されるのが一般的です。

適格が有りそうだと判断されたレジュメのみ、再度読み返され、初めて面接に進めるかどうかの審査の土俵に上がることが出来ます。

そのため、まずは採用担当者の目に止まるレジュメを作成することが次の重要なステップになります。

人事担当者に読まれやすいレジュメの特徴

・「Job Description」のキーワードが多く、内容の一致度が高い
・ キャリアに一貫性があり、転職によりポスト・スキルが上がっていることが分かる
・ 経験やスキルが具体的かつシンプル ※数値があると尚良い
・ Action Verb(例:Managed,Created,Directed)が多い

ーー↑通過しやすいレジュメーーーーーーーーーーーーーー

ーー↓読まれても通過しにくいレベルーーーーーーーーー

・ 「Job Description」に書いてあるキーワードが少ない
・ 「Job Description」の職務に関する経験が短い
・ 内容にまとまりがなく長い (3ページ以上)
・ フォーマット・フォントが見にくい

ーー↓流し読みされて落とされるレベルーーーーーーーーー

・「Job Description」に書いてあるキーワードが全く含まれていない
・「Job Description」の基本的な要件(学歴・資格等)が満たされていない

特に「Job Description」との一致というのが重要で、近年では、キーワード検索を活用してスクリーニングをかけている企業も多くなっています。

(キーワード検索の例)

【募集内容】
□Job Title = Accounting Manager
□職務の内容
__① Supervise Accounting system
__② Manages general tax matter

→ レジュメの中で「Accounting」、「System」、「Tax」等の重要なキーワードがどれくらい・どの項目(スキル・経験・学歴)に含まれているのかをキーワード検索で見ていく。

このように、「Job Description」を基準に書類審査が行われるため、如何に「Job Description」の内容を理解して、それに沿ったレジュメを作るかということが重要か分かると思います。

当たり前に思われるかもしれませんが、実際にアメリカで採用活動をしている中では、会社が求める要件を満たしていないレジュメが多数あり、体感では半分ぐらいはレジュメ選考で流し読みで落とされていると思います。

そのため、複数企業を受ける場合には、面倒でも応募するポジションに合わせて、レジュメの内容はアレンジすることを強くオススメします。

また、出来れば、転職エージェントや専門家のサポートを受けることで、大きく成功率は上がることと思います。

・一貫して「Job Description」の内容に合わせることを徹底する。
・見た目と内容は、簡潔かつシンプルで分かりやすくする。

レジュメが完成した後は、転職エージェント経由か、オンライン上で企業へのエントリーを行い、書類選考が通れば面接に進むことが出来ます。

【Step5】面接対策をした上で面接に臨む

アメリカ企業の面接であっても、聞かれる質問は日本とそう変わらないです。

一般的な面接の質問事項

① 自己紹介
② 今までの経歴・スキル・資格
③ 志望動機
④ キャリアパス
⑤ 自己PR
⑥ 希望する給与額
⑦ その他、応募者からの質問事項

ただし、アメリカと日本では採用担当者が見るポイントが異なるため、アメリカ企業の面接を通過するポイントを次節で紹介します。

アメリカの面接を通過するポイント

 

Job Descriptionに沿って簡潔に回答する

くどいようですが、やっぱりここでも「Job Description」が重要です。

転職文化が強いアメリカでは入社した後にじっくりトレーニングして育てていくという意識は薄く、企業が求めているのは「Job Description」に記載しているポストを埋めることが出来る即戦力です。
そのため、如何に優秀で多くの資格・スキル・経験を持っていてアピールしたとしても、「Job Description」の職務と関係ないものは、採用担当者には響かないです。

逆に言えば、徹底して「Job Description」の職務に対して、如何に自分が貢献できるかをアピールすることを意識すればするほど、採用に近づいていくことは間違いありません。

英語・オンラインの面接に慣れておく

アメリカにあっても、日系企業であれば、英語をほとんど使用しないという企業もありましたが、近年のグローバル化に伴って、英語でのコミュニケーション力は必須になりつつあります。

特にローカルの採用担当者が面接する際は、当然、顧客や同僚、上司と「英語でコミュニケーションが問題なくとれるのか?」という点は面接官の印象を大きく左右しますし、面接で効果的な英語表現や交渉術を身に着けておくとより効果的です。

また、アメリカは国土が広く、ITの導入も進んでいるため、遠隔地でのSkypeや電話等を活用した面接が一般的になっています。
最近では、AIを使ったビデオ面接などを導入する企業が増えています。

そのため、「英語」かつ「オンライン」での面接に事前に十分になれておく必要があります。
転職エージェントに登録している方は、エージェントの方が面接練習までサポートしてくれますが、そうでない方でも、オンライン英会話や英語学習アプリでも十分に練習することが出来ます。

・とにかく「Job Description」を意識する
・英語・オンラインでの面接慣れするよう準備する

面接を無事通過すれば、内定通知のような「採用オファー」を企業から受け取り、承諾することで採用が決まります。

あとは入社日までに赴任の準備をしておきましょう。

【Step6】採用後の赴任準備~赴任後の生活立上

入社日が決まったら、アメリカ赴任の準備を始めます。
アメリカの赴任サポートについては、下記の記事でまとめていますので、参考にしてください。

【2020年版】アメリカ赴任ガイド|赴任準備&生活立上げアメリカ赴任が決まって、いよいよ赴任日が迫ってきたけど、生活を早く立ち上げるためには何をしたらいいの?と不安を抱えている方は多いのではな...
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まとめ

近年グローバル化が進む中で、海外勤務を視野に入れている方もどんどん増えてきています。

特にアメリカでは、年間を通じて多くの求人が出されており、求人数も年々、増加傾向にあるため、どんどんチャンスが広がっていくことが予想されています。

本記事でお伝えしたように、情報収集と選考の準備さえ、しっかり出来れば、アメリカで働くことも十分に実現可能です。

少しでも興味がある方は、英語や資格の勉強を始めたり、転職エージェントに登録してみたり、海外の求人を検索してみたりすることで、よりアメリカで働くことのイメージが湧いてくると思います。

何より大事なのは行動に移すことだと思いますので、アメリカ就職を成功させるために、本記事を参考にしてみてください。

本記事で採用した転職サイト

<アメリカ特化型>
PASONA NA|米国中心の求人案件に加え、労働市場の情報等も豊富

<海外転職に強い&非公開案件数が多い>
ランスタッド|海外のハイクラス求人が豊富
リクルートエージェント|国内最大大手で海外案件も多数

アメリカ商社HR
Sean (ショーン)
大学を卒業後、日本の大手商社に就職。 入社以後、人事部でキャリアを重ね、アメリカに渡る。 現地企業でHRとして勤務しながら、グローバル企業の人事制度を研究。 最新のHRに関するトレンドやノウハウ、海外でのキャリアUP、ワークライフ…etc.について、分かりやすく解説・紹介しています。